~領土・従軍慰安婦問題がよくわかる~
◆講師:千坂純 氏
日本平和委員会事務局長
◆主催:大阪平和委員会
(案内ビラーPDF)
米国は、7月下旬欠陥機オスプレイ(12機)を岩国に陸揚げし、機体を組立てて2週間程度の試験飛行を行い、8月に沖縄・普天間基地に配備し、その後全国6ルートで低空飛行訓練を実施する計画です。
これに対し、山口、沖縄だけでなく、低空飛行訓練ルートに当たる和歌山県知事なども反対を表明。7月22日(日)岩国市で市民集会、8月5日(日)沖縄で県民大会が開催されます。
―以下、平吉くんと和子さんのオスプレイ談議です―
平吉 米国はOC46ヘリの後継機種として何回も事故を起こしているオスプレイ普天間基地に配備したいといっているね。
和子 オスプレイとは、ヘリコプターのように垂直に離着陸が可能な新型の輸送機のことよね。よく事故を起こすので未亡人製造機というそうよ。そんな危険なものをどうして沖縄の普天間基地に押し付けようとしているのかしら。
平吉 最高速度はこれまでのヘリの2倍、搭載量は約3倍、飛行距離も長く沖縄~朝鮮半島間を空中給油1回で往復できるすぐれものだからだ。
和子 先日読んだ本には「墜落の危険性も高いオスプレイを、都市のど真ん中にある普天間飛行場に配備すれば、どうなるか。米軍の方がよく知っている。だから(辺野古の)海上ヘリ基地が必要なのだ」と06年に防衛省幹部が言った言葉が紹介されていたわ。
平吉 オスプレイの配備を強行して普天間基地の固定化の事実を沖縄県民に突き付け、それがいやなら辺野古新基地建設を認めろという作戦だよ。配備撤回を求める署名をたくさん集めるなどして、オスプレイは米本土にお帰り願おう。
大阪平和委員会は、6月30日と7月1日に東京で開かれた日本平和委員会定期全国大会に1300人の会員を持つ日本最大の組織として参加しました。
大阪は、4月初めに開催された常任理事会から総会を経て大会まで橋本会長を先頭に統一行動日を設けるなど全組織あげて1300人(4月初時点であと57人)のゴールをめざして奮闘しました。
会員拡大では、日本平和委員会全体の月間の拡大数の3分の1を大阪が担ったことはその真骨頂を示すものでした。
平和新聞、平和運動の二つの目標はあと少し残したものの、大阪での奮闘が、日本平和委員会全体の3指標での増勢につながったことは間違いのないことです。
新しく参加した仲間の力も借りながら、橋下〈維新の会〉による「憲法特区」政治、オスプレイ配備、原発再稼動を許さない取り組みを強化していきましょう。
7月9日、関目学園・福祉祭り「平和のひろば」推進委員を対象に情勢と課題に関する学習会が「すみれ共同作業所」で開かれました。参加者は若い保母さん3名を含む12名。
講師の上羽事務局長が、「世界では、仏大統領選でのオランド大統領の誕生に見られるように格差反対の運動が拡大している。この日本も例外ではなく、6月29日には脱原発で若者たち20万人が首相官邸を包囲する力強い胎動(事務局長も参加、下がその写真)が見られる。金脈・人脈におもねって原発再稼働容認に豹変した橋下「維新の会」は脱原発で日本のリセットを夢見る若者たちに見放されることは明らかだ」と新自由主義に対する運動の大切さを説いた話を行い、その後意見交流を行いました。
秋に開かれる福祉祭り「平和のひろば」への弾みとなるいい学習会でした。
6月30日柏原市からスタートした国民平和大行進は、途中警察から中止をすすめられるほどの大雨にもあいましたが、7月7日川西市役所に到着し無事兵庫県に引き継ぎました。
通し行進者として府内を歩き通した会員の岩田大阪原水協理事長は、「参加者が多かったことと沿道からの声援が大きかったことが今年の行進の特徴。民意を無視した大飯原発再稼働への怒りがその底流にあったのでは・・・」と感想を述べられています。浅田常任理事も通し行進をしました。
行進した会員の皆さんご苦労様でした。
《(2)橋下「大阪維新の会」の「設立の趣旨」と「政策」》
「大阪維新の会」の「設立の趣旨」には、「大阪から地域主権を実現するため」「福祉、医療、教育、安心・安全等に係る住民サービスの向上こそが地方政府の存在理由であるが、その原質(自治体の収入 ー 筆者)を拡大するには圏域の競争力の強化と成長が不可欠である。」とある。
「広域自治体が大都市圏域の成長を支え、基礎自治体がその果実を住民のために配分する」「新たな地域経営モデルを実現するため」設立したというのである。
そこで「政策」としてまず「大阪の危機」を挙げている。
「府内総生産はこの10年で2・41兆円減少・1人当たりの県民所得357万円(平成8)→308万円(平成18)、大阪市1人当たりの所得414万円(平成8)→344万円(平成18)
優秀な人材の流入、将来性のある企業立地を促すこともできず、企業流出に歯止めをかけることもできなかった。
その結果、多くの生活指標が悪化し、全国最高の生活保護率、低い消費支出、高い完全失業率等貧困家庭の子弟が十分な教育を受けられず、そのため世帯を超えて貧困から抜け出せない、いわゆる貧困の再生産が行なわれている。」
そして、「大阪は一地域でありながらアジアや中東の中規模国家並みのGDPを擁している。(府内GDPは約38兆円)」「これからの日本経済を牽引できる潜在可能性がある。」「しかしながら、府市を初め様々な取り組みがバラバラでその可能性を発揮できない。今こそ地域が自らの発展を戦略的にめざすことのできる枠組みを構築する必要がある。」というのである。(「大阪維新の会」ホームページ)
「危機」として述べられていることは、小泉内閣以来の新自由主義による規制緩和によって大型店の進出を許し、小売店をつぶしてきたこと
、労働者を不安定な雇用、低賃金、失業に追い込み、消費の力を失わせたことによるものではないのか。また、日米安保条約第二条「経済協力」によって1994年からアメリカが対日経済改革の要望書を出し規制緩和求めてきた。これらにこそメスを入れねばならないのではないか。自治体を広域化させることは税金を多く集め大型開発を可能にする。そのように制度を変えてみても潤うのは大企業だけで、営業や暮らしの「危機」は解決しないのではないか。
(つづく)