「非人道的な核兵器保持は道理なし」と宣言―世界大会報告
天王寺平和委とのコラボで集団的自衛権反対の宣伝行動(8月18日)
《コラム①》今月の言葉~福島県佐藤知事名~ 「健康被害の心配ない」
平和委員会の呼びかけに、各地域で学習会を開催
各地で戦争展を開催
残暑お見舞い申し上げます~
会長 小林 徳子
8月4日(月)~6日(水) 広島で、原水爆禁止世界大会が開催されました。大阪からは400人を超す代表団が参加し、開会総会で小松大阪原水協事務局長が「来年のNPT再検討会議に百万署名を届ける」と決意し、国内外の参加者を励ましました。
大阪平和委からは青年8人を含め30人以上が参加しました
今年の広島世界大会は3日間雨にたたられる中、全国7000名、海外代表18ヵ国74名の参加で開かれました。天王寺からは私だけでしたが、昨年の長崎大会に次ぐ参加で、行動する楽しさとパワーをたくさんもらってきました。被爆者の平均年齢が79歳、残された時間はそう長くはない、今年が最後になるかも…といいながらも、命のある限り…と話してくださる被爆体験には「人間として、悔いなく生きる」力強さを感じました。また、「碑めぐり」ガイドの被爆二世の活躍も目立ちました。
1日目は開会総会で海外代表のあいさつ、各県の取り組み報告のあと大阪のオレンジ一色のピースチャレンジャーの登場は一気に会場を沸かせ、署名の大切さを訴えました。2日目の分科会には、「碑めぐりと被爆体験」に、そして夕方は「日本平和委員会交流会」(120名)、夜は「女性のつどい」(1000名)に参加しました。3日目の8月6日はドシャブリの中、大阪平和委員会の仲間と原爆ドームで記念写真。その後急いで原爆病院に移り、病院内で開かれた慰霊祭に参加。大阪赤十字病院の職員・家族に折ってもらった「おり鶴」と献花、黙とう。被爆当時の病院の状況や入院していた被爆者の状態などを聞くことができました。その後閉会総会に参加。待望のアンゲラ・ケインさん(国連軍縮問題担当上級代表)に会うことができました。「核兵器のない平和で公正な社会を達成するまで努力しよう」と呼びかけられ、会場から歓声と拍手が沸き起こりました。
(天王寺平和委 吉田一江)
8月5日(火)分科会「青年のひろば―被爆者訪問、学習・交流」に参加し、西純子さんのお話を聞きました。西さんは2歳で被爆されたということで、当時35歳だった西さんのお母さんの証言をもとに話されました。
西さんは原爆ドームから1・2キロの地点で被爆されました。数日後40度の熱が出て、口の中も化膿して水も飲めない状況で、医師からは「お気の毒ですがダメです」と言われたそうです。医師もいず、頼れる人が誰もいない中で絶対諦めないというお母さんの思いで、漢方薬を飲んだり、お灸をすえたりして徐々によくなっていったそうです。
その後は、被爆者であることを常に意識し、お見合いは絶対にしないと決めていたし、自分の子どもや孫が生まれるときはとても心配だったといった思いや体験をお話されました。
西さんのお兄さんは、学徒動員先で被爆されました。お兄さんは亡くなる時「ここで死ぬのは残念だ。ぼくをもう一度生んでくれ」とお母さんに話し亡くなったというお話もしていただきました。
西さんの証言の後、2日目を終えての感想などを中心に交流しました。
「ここへくると核兵器廃絶を早くしなあかんなと気が引き締まるけど、年一回そう思うだけではあかんなあ」「札幌では集団的自衛権やそれ以外のデモなど頻繁に行っていて、徐々に周りの人にも暖かくみてもらえるようになってきた」など反省の表明や地域での取り組み報告がありました。
今月の言葉―「健康被害の心配ない」
「3号機が水素爆発を起こした直後の2011年3月14日、で『事故による健康被害の心配はない』と公表するように東電側に要請し、さすがの東電もこれを拒否したとされる」。(岩波『科学』2013年12月号 日野行介『被ばく調査を歪めた福島県の姿勢―「県民健康管理調査」の取材から』より) |
今年の広島世界大会は、台風の影響を受けて3日とも雨でしたが、会場は熱気あふれんばかりでした。被爆70周年にあたる来年のNPT再検討会議を成功させ、「核兵器のない世界」への決定的な転機にしていこうと参加者の心が一つになりました。とりわけ、国際宣言の中で「一部の核保有国が『核抑止力』論に固執し、非人道的な核兵器を保持し続けることには、一片の道理もない」と断じたことは、参加者を励ましました。若い世代も多く参加し、草の根の運動の重要性を各自の経験を通じて語り合い、学び合う場となりました。世界大会の体験を経て、高まったエネルギーを持続していかなければなりません。
平和委員会は、戦後の平和運動の原点として一番歴史のある組織です。同時に、平和の筋が一本通った個人加盟の組織として、他の平和サークルとは違った大きな役割を果たす力を持っています。いまこそ確信と誇りを持って加入を呼びかけましょう。核兵器廃絶の旺盛な署名活動とニューヨーク行動を成功させましょう。
大阪平和委員会は、8月18日(月)炎天下の昼休み時に近鉄上本町駅で天王寺平和委とのコラボ、10人で集団的自衛権反対の宣伝行動を実施しました。この行動の呼び物はシール投票。1時間足らずの取り組みでしたが、35人が投票参加してくれました。シール投票を担当した会員から、「高校生など若い人が積極的に応じてくれた。シール投票は声をかけやすくいい宣伝方法だ」との感想が寄せられました。
なお、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」撤回を求める「新署名」も8筆集まりました。
日本平和委員会は「戦争する国」づくりに反対する世論と共同をさらに広げるため、平和委員会がその学習運動の先頭に立つことを呼び掛けています。
大阪でもその呼びかけに答えて学習会が連続して開かれました。
7月16日(水)午後6時半から関目学園で「情勢学習会」が15人の参加で開催されました。この学習会は、秋に開く福祉まつり「平和のひろば」(関目学園平和委や地域などで構成)のプレ企画にあたるもので、参加者の大半が若い保母さんなどでした。
講師の上羽大阪平和委事務局長は、シリア内戦など世界の焦点になっている問題に触れ、「集団的自衛権が行使されたら、自衛隊が最初に派遣される戦闘地域がシリアというシナリオもありうる。こんな悪夢を許さないためにも安倍内閣を打倒しよう」と述べました。
7月26日(土)福島医療生協は原水爆禁止世界大会・広島への3人の代表壮行会を兼ねて、「集団的自衛権問題学習会」を47人の参加で開催しました。上羽事務局長が講師を務めました。
次がその講演要旨です。
《安倍内閣による「戦争する国」づくりで日本社会と国民生活はどうなるか。①「自衛官も血を流す」(安保法制懇メンバー岡崎久彦氏)結果、自衛官のなり手が減り、何らかの強制徴集、業務従事命令、徴兵の危険性が高くなる。②米国の敵がすべて敵となり、絶えずテロの危険にさらされる。現在日本の「世界平和度ランキング」は世界第8位。集団的自衛権行使となれば、平和ランクが米国(101位)並になるかもしれない。③軍事費優先で国民生活はそっちのけになる。ある週刊誌は集団的自衛権のお値段は20兆円(今年度防衛予算の4倍)と試算している。
国家が「有事」の際国民を守らないことは、アジア太平洋戦争で証明済み。平和憲法を死守し、国家が「有事」をつくり出す暴走を止めることができるかいなかがいま問われている。その結節点は、11月の沖縄県知事選挙と来春の一斉地方選挙。この秋、辺野古基地建設を許さない沖縄県知事を誕生させるため沖縄への連帯支援を強め、来春の一斉地方選挙で「戦争する国」づくりを許さない革新平和の議員を多数当選させるため奮闘すること、これが我々平和勢力に求められていることだ》
学校の夏休み開始に伴い府下各地で戦争展が開かれました。
◆堺(7/19・20)
◆西淀川(7/22~8/中旬)
◆天王寺・東大阪(7/26・27)
◆八尾(8/2・3)
◆関目学園(8/3)
◆旭区(8/9・10)
安倍自公政権による「海外で戦争する国」に変える動きが急な中での開催とあって、どの戦争展も参加者数が多く見学も真剣そのものでした。